冬/洋輔
 


木枯らしが吹いている
僕の身体は冷え切っている
ため息は明日の存在にかき消され
落ち葉の下 日常は埋(うず)もれてゆく

誰よりも ぬくもりを求めている冬
だけれどそれは最も遠い
色の無い色の景色の中でだけ
きっと誰もが ぬくもりを見出すことができる

そんな冬




木枯らしが吹いている
僕はベッドで折れ曲がっている
神経はピアノ線のように張りつめられ
けれど 眠りはわずかに安らかさに近い

誰よりも やさしさを求めている冬
おそらくそれは最も似合う
音の無い音の響きの中でだけ
きっと誰もが やさしさを聴き取ることができる

そんな冬









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