永久ギターと星の猫/kawa
 
川岸に、遺体が数体流れ着いている。僕は友人たちや、知らない人大勢と、生きている人を探しにいく。





暗い水の中を、とても速く泳いでいる
眼がよく見えない

さらさらさら、さらさら
さらさらさら、さら

ほう、とする音だ
何の音だろう

さらさらさら、さらさら
さらさらさら、さら


――体が冷たくなっていた。ずいぶん時間が経っているようだ。そろそろ帰ろうと、腰を上げかけて戸惑った。
 音が欠けている。いや違う。弾いているのに、響いていない弦があるのだ。指の触れる音すらしない。
 猫は相変わらず、淡々と弾いている。僕は息を詰めていた。小椅子の脚に括りつけられた、小さなランプの炎は、今にも絶えそうだ。
 音のない弦は、二本、三本、するする増えて、ついに最後の一本も鳴らなくなった。
 猫がはじめて、僕を見た。

(いまが いっとう 暗いにゃ)

 本当だ。星がすっかり消えている。





























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