恥ずかしい街/コーリャ
 

いつも見ている夢は風景として壊されずにある
ヒビすら入らない
傷つかない

虫の群れのような街にシャンデリアみたいな雨が降る
道路にこびりついた体液が泡になっている
冬が溶けていく匂いがする

生まれてから死ぬまで恥ずかしがりやだった人は
幽霊になったいまでも恥ずかしい
いまは服を着てないことを恥じてる
昔に何に恥じていたのか絶対に喋らない
みんな陰鬱な表情をしている
静寂を口元に凍らせている

恥ずかしい街
森なんてない言葉なんてない
人はいる
たくさんいる

戻る   Point(4)