雲にのったポポ/みつべえ
深刻な問題を考えるのは天才にまかせておこう(モンゴメリ)
雨あがり。
ポポはアパートの部屋から、ホップ、ステップ、ジャンプして、街へ通じる歩道橋の上まで駆け上がった。
大きな虹が出ていた。
その虹は、右側の背の高いビルと、左側のちょっと背の低いビルの間にかかった橋のように見えた。
「すっごい! きれい! たまんないっ!」
ポポは知っているかぎりの「ほめことば」を連発し、ついでに拍手をした。
ちょうど、そこを通りかかった大人が、ふしぎそうな顔でポポに話しかけた。
「こんなところで何してるの? 一人? おウチはどこ? お母さんは? あー、もしかしたら迷子かな?」
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