サーカスがやってきた / ****'04/小野 一縷
文字を 目から吸う
映し出される映像は言葉の流れる物語だった
そのタイトルは 「脳内サーカス」
見世物小屋で行われる脳実験
被験者は こころと脳ミソのフリークス
言葉の曲芸使いは ジーザスのコスプレ宗教詩人
猛獣を手懐けるピエロの狂笑 獣姦は馬に限る
空中ブランコの最大の見せ場は失敗による転落事故
砕けるパペットたちの顎と前歯 人間が転落する様を笑い過ぎて
失語症パントマイマーは女の喘ぎ声になによりエレクト
腹話術師は当然人よりダッチワイフ至上主義一人二役
観客は皆 遠慮がちに笑う
遠慮せず もっと笑えばいいのに
ナイフ投げの的役少年はそう想う
我慢せ
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