ヒューム「ベルグソンの芸術論」(5)/藤原 実
がモダニズムを役に立たないものとしたのも、しかたのない面があります。が、西脇にすればそのように一見現実には無力な、社会の改善などには役に立たないからこそ、詩は最終的には人を救うのだ、という思いがあったでしょう。
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ポエジイはすべての価値批判を超脱しているから人間の脳髄をよろこばせる。それというのは人間の苦悩の最大な原因は価値批判があるからである。栄誉と富、恥辱と貧乏とか、美と醜、善と悪、真と虚といったものはみな価値批判の結果としての心理である。
ポエジイはこの事実によって人間の精神的な救済であろう。仏教もキリスト教もその真の意味ではそうしたポエジイであると思う。この点はポエジイ
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