蛍/ダーザイン
海岸草原のみどり
はまなすの赤
萌たつ草の焔の中に
風露草のうすもも色
原生花園をぬけると
落ちていくように
空がりょううでを広げて
濃紺の海がひろがっている
道東の海は冷たくて
泳ぐ人は誰もいない
でも今日は暖かなひざし
透明なひかりがせかいを照らし
やさしい風がふいている
波打ち際には丸くて平らな石
灰色に濡れた線が
海と砂浜の間を地平線までうねっている
靴を脱ぎ捨てた彼女が
波打ち際で
水とたわむれる
打ち寄せては返る
巨大な鉛色のかたまりも
彼女の足もとにくると
やさしい静かな泡になる
カモメ
カモメ
ときどき凧
[次のページ]
戻る 編 削 Point(26)