バ・オバブ/
……とある蛙
雲一つない満天の星空を背景に
すっくと並び立つ数十本の
バオバブの樹
下草は目立たなくなり
キツネザルが蹲(うずくま)る。
幹の先にやや滑稽な枝振りを見せ
人類が住み着くずっと以前から
かの島の守護神として屹立する
本当に樹なのだろうか
冬に葉を落としたかの樹は逆立ちしている
バ・オバブ
地球はまだこの樹には喰われまい。
この樹が育つ環境は次第に減ってゆく
壊れてゆく
バ・オバブ
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