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nia
唇はめくれて少し開かれている
樹液のように滲みでてくる声
膨らんだ身体 去勢された歌い手が
硝子玉のような瞳で 君を連れていく
震える 震えた心臓に銃器をあてがい
解放されたはずの わたしは
その声に 唱和するはずである
声に出した 声に出した途端
鉛のように 地に落ちた
地上には白い肌の女が幾人か寝そべり 口を大きく開いて
毛布に包まれていた
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