swimmers/
小林 柳
真夜中を
僕たちは泳いだ
振り返りながら
ぼやけた光じみた
明るいほうへ泳いだ
夜露の降りたガラスに
僕たちは映らない
もう考えるのはよそう
何であってもいい
誰でなくてもいい
君が口を開くと
泡が生まれ砕ける
そしてまた生まれる
息が続くあいだ
途切れないように
僕は黙って
色とりどりの
花火を見ていた
人なんだろうか、僕たち
何であっても、いいけど
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