ベビーズ ブレス/モリー
君まで続くこの道に
淡い霞が微睡んでいる
まだ春浅き日の早朝
清楚な花束を抱えて歩く
歩調に撓む細い茎
君に言ってしまわなければ
不安が纏わりつく前に
世界がそわそわと動き出しても
大気はまだ凍っていて
恐ろしいほど蒼いのだろう
―どうしようもない
胸元から不意に匂い立つ
信号が変わる
白みは徐々に溶けていく
制服の裾から脚が生え
ジェンダーフリー
望む手前の私は
いかにも少女らしい恋をしている
その清らかな心に
私は明日の夢を見る
この角を曲がったら
君が笑って待っている
万感を込めて溜息をつく
汚れを知らない幾つもの
小さな花弁が優しく揺れた
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