ベートーヴェン交響曲第3番「英雄」/アマメ庵
うせ面白い番組などやっていない。
テレビなどは、赤いインジケーターランプを灯した置物に過ぎない。
何年も使っているノートパソコン。
少し前は、熱心に音楽を聴いた頃もあった。
異国の詞で唄われたブラックミュージックを好んで聴いていた。
白いセダンにアンプとウーファーを乗せて、外にも聞こえる大音量で徘徊していたころもある。
ぼくは、何を失ったのだろう。
あんなにも旅に出ることを欲したのに、今は、内環状線と新御堂筋と言う大きな道よりも向こうには足が向かない。
この街は、ぼくが怪我をして左手が不都合でも、あらゆる形でぼくに食料を与える。
忌々しいカップラーメ
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