雪/
蒲生万寿
アホの子のカーコは
ほじくった鼻クソを食いながら
「オレ、雪好きや」と言った
なぜ好きなんだと聞いたら
人を小馬鹿にするような顔をして
「お前、みんなカキ氷だらけやぞ」
と答え雪を掴んでほおばった・・・
今朝の雪が子供の頃の記憶を引っ張り出す
外はまだ暗いが仕事に出掛ける時間だ
滑らないように気を付けながら駅へと
歩く
電車は大丈夫かと心許なく思いながら
歩く
キュッキュッと音を立て雪を踏み固め
歩く
今日は少し愉しげに
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