その晴れない空に/中山 マキ
 
大きな声で叫ぶんだ
鳥が朽ちて
雨が線を描いて
進み過ぎた時間を
一つ一つ実感するように
小さな息を吸っては吐いて

そこで目が回るほど
生きていることを実感したら
空の分け目が無言であるという
素敵な事実を見つけるはずだ
そしてあなたが耳を塞ぐ姿を横目に
しみじみと実感する

あなたを愛しているという
この世は果てるという
意味があってもなくても
死んでいくものだけが
全てをさらって目立とうとする
持続するのは
誰かと誰かの指きりぐらいの

勢いのないリズムを
その事実だけを



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