ヒューム「ベルグソンの芸術論」(4)/藤原 実
 
深い信頼と愛が、僕等の必要と要求に応ずるであろう」と語りかけます。

そして、そのためには詩は「言葉の鎧」であったり、「巧緻なからくり装置」であったり、「まして猫に胡弓を取り付けた玩具」のようなナンセンス・ヴァースであったりしてはならない、のだと…。

「親愛なるX…」と鮎川はコトバを重ねます。詩を書くということは「言葉を高い倫理の世界へおしすすめてゆく」ことであり、「一つの調和への希求と、一つの中心への志向」を伴った、たえまのない詩作過程を生活のすべてとする、そのような「詩の規律に服するように、僕等の生活が保たれるとしたら、すべては如何に良きものであろうか」と。

そして、以上のよう
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