長寿ー生き残り−/……とある蛙
 

河に飛び込み死にきれず
首を縊って縄切れて
手首は切る部位無くなって、
やはりその日も死にきれず

昨日も一日長く生き
今日も一日長くイキ
明日も一日生きるのだ

死んで花実が咲くものか
といっている間に死にたいもので、、
死んで花実が咲くうちに
死ねる人らが恨めしい

死ぬことにさえ人羨(うら)み
やはりどうにもならぬ己(み)に
このまま生き恥さらそうか
このまま生きるしかないか。

黙っていても死ぬ日は来るが
忘れてしまって逃げたくて
何かに逃げたく死のうとする。

ってなことだけが
生きる縁(よすが)の人がいる

たとえ死んでも
悲しまれない

たとえ死んでも
同情されない

たとえ死んでも
気づかれない

そんな自分が疎ましい。

と思っていたって 朝は来る
雨が降ったら 晴れてゆく
毎日毎日過ぎてゆく

そして、何事もなかったように
月日は流れ
黙っていても 老いてゆく。
喚いてみても 老いて逝く。

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