はじまりの14才/小川麻由美
 
あの絵画
王と王妃になる
複雑な視線の交差が生み出す
捕らえきれない空間に身を置く

ひとつの快楽

あの絵画 
カメラを覗いたように思える
何気ない日常のはずが
静謐な空気を帯びる

ひとつの快楽

あの絵画
躍動感を覚える
最小限の色彩と構成要素
段々と見えてくる

ひとつの快楽

ブラウン管テレビの
栄枯盛衰
私を様々な快楽へと
道案内してくれた

あの人

普遍性と一過性が混在する
この世界を垣間見る術
それを教えてくれた
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