冬の花 と 白い月/まどろむ海月
 





天井の水紋に沈む
銀河の瞬きに
誘い出され
冬の花を探す


証なき白は
虚空に舞い上り
透明な肖像が
愛を囁く



 山茶花の紅い花びら
 宝石のように拾い上げ
 そっと唇におしあてた
 ね そのとき きみは





  あなたの唇に
  未だふれもせず
  その感触を 想像する
  哀しさよ


  魂に刻印される
  うつつの思い出の
  ひとつとて
  ないのに


  私たちはすでに 互いを
  記憶の 乾き冷めた彼方へ
  旅立たせよう としている
  のでしょうか






葉が疎らになった公孫樹に凭(もた)れ
風と青空の中の 白い月 を仰ぎ
今日も 君のことを考えている












                  


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