See off/ネハン・フランク
出発の時間が近づいていた。私は今日、旅立つ。この日を迎える事が出来たのも、今まで後押しえてくれた人々のおかげだ。学校の先生や友達は私がこの話をした時、私がしたいことなら必ずすべきだと言ってくれた。父や母は背中を押してくれた。これから私を待ち受けているものは何だろう。全く未知の世界だ。もちろん苦しかったりもするだろう。でもきっと楽しい。私はずっと考えてきた。この街を、世界を飛び出したいと。今、願ってきたその夢が叶うのだ。私の友達はきっと、バラバラになっても私を忘れないでいてくれるだろう。
時間だ。そろそろ東京行きの電車がホームへ到着する頃だ。その時だった。背後から私の名前を呼ぶ声がして振り返っ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)