性交/天野茂典
 




若草のように君のながい髪の毛がぼくの頬に当たる。すこしカールした茶髪のロンゲだ。
ぼくは藁のようにその髪の毛に触れる。雨がこんなにやさしかったら。かわいているのか、濡れているのかよく分からない。ぼくは埋める。そのベッドの中にぼくのにおいをマーキングする。朝顔の紫が陽にあたっている。ぼくはそのベッドのなかでねむることができる。シャンプーヤリンスの匂いがして,君のにおいがしない。ボリュームのあるウエーブだ。
ちいさな乳房もその森の中に隠れてしまうだろう。君は裸だ。丘陵のようなやわらかいボデティ。君の目。君の唇。君の耳。君の肩。君の乳房。君のおへそ。君の陰毛。君の背中。
君の君のお
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