わたしが好きな詩人 ミーハー主義的雑文 3−3/るか
。まだその雰囲気が、
モダニズムのうちに薫ってはいたのでしょうが。「四季」も「詩
と詩論」も、アヴァンギャルドの実験以降に現れたもので、ある
意味では洗練を経ていた。勿論、洗練とは、いつも、脱ー政治化
と共に生じる現象ですね。「詩と詩論」をリードした西脇順三郎
には、政治的な問題意識は殆どみられません。それが西脇の限界
であって、ブルトンのようなヨーロッパのモダニストとの間に、
けして無視することができない差異を、日本のモダニスムに付与
することになりました。
対照的なのがもう一方の中心人物であった、瀧口修造です。彼
は、治安維持法施行後、官憲によって検挙され、コミュ二スムと
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