永遠に解けない雪 (改稿)/結城 森士
 
冬の日に雪となり
 ひとつの場所に留まり続けたいと願う



白い静寂の中で
庭園の外灯に照らされ
少年たちの雪遊びを眺めながら
二人はベンチに腰を掛けている
舞い落ちていく綿雪が
溶けて消えてしまう前に
永久の愛を伝えようとした
あなたがそれを望んでいたから

あなたがそれを望んでいたから
存在しないはずの永遠を声にした
けれど口から出た言葉は
白い息と共に冷たい大気の中に消えてしまう

静けさのなか振り返ると、遠く離れた冬の日に
一筋の涙を流しているあなたが見える



朝もやの霞の中
太陽の光に照らされ
溶け出した雪だるまを見つめながら

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