わたしが好きな詩人 ミーハー主義的雑文 3−1/るか
世界を、率直にいっ
て、愛する者です。そこには、遥か後代の私達が摂取すべき
余りにも豊富な滋養が含まれてあります。
鮎川信夫という詩人の作品と存在とについて何事かを語ろ
うとすると、どうしても、このような時代背景を紹介したく
なる誘惑に駆られてしまいますが、それは何も鮎川信夫の詩
が難解であるということを意味しはしません。寧ろ思潮社的
な現代詩の修辞に慣れた現代の読者からすれば、素朴そのも
のとさえ反映しかねない。わたしが荒地派の詩に触れたのは
大学に入学した頃だったと思います。それ以前は、萩原朔太
郎や西脇順三郎に浸っていた。中原中也やランボー、ヴェル
レーヌなども
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