連詩「掴めない源」4/10/愛心
 
手紙の言葉を
口の中で反復しながら

月の墜ちた水を掬い上げ
砕ける欠片を喉に流し込んだ

言葉を飲み込み
生成し、消化して
闇に融ける声で囁く

掌に残る水滴
掴めない、残らない
だから体に

残して
その身に浸すの

朝は太陽を映そう
金を飲み干そう

夜は月を映そう
銀を飲み干そう

空の色は変わっても
その水滴の色は
目が眩むほどクリアなのだから
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