ガロア再び/Giton
 
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真理を目の当たりに見ることは危険だ死すべき人
には許されぬ業(わざ)裸眼では目
が潰れてしまうという気高き Mont Blanc
万年氷の巓(いただき)に散る朝日を見るように
「数」の真理を見てしまうことは危険だった
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黒い大学帽を頭に載せてふんぞりかえる巨塔
の隠者たちが2世紀かけて惑いつつ狼狽(うろた)え
つつ漸く覗き込んだ白熱の坩堝「数」の深奥
を何者にも魁けて一瞬にして理会した少年は天
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に召されてしまったのかもしれない砂漠の神
が家畜の最長子を生け贄に欲するように真理
は最初に己が姿を人に見せるときその不幸
で幸せな最
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