沈降/モリー
 
窓の無い、心の底
重苦しい空気に
自身を溶かしていた
光すら届かない場所に
気分を沈めていた

魂の存在を五感が感じている

あまりにも暗いから
目醒めているかもわからない
胸だと思われる場所が刹那、煌めいて
そこから涙が溢れるのが見えた

あなたは今も地上で、
咳き込みながら熱にあえぎながら
彼のことを考えているのだろう

性差を飛び越えないことで
あなたは自分を守りながら
そっと傷つけている

私はその魂に、触れることすら出来ない

「雨、降ってるみたい」
真夜中の音につられ
女の私は
さらに深みへ沈んでいく
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