二日酔い/……とある蛙
無言のまま朝飯を食べてしまい
ご飯を持ってきてくれた女に
昨日を拾ったか尋ねると
(それでも)
執拗に尋ねると
納豆ごはんを
口に詰め込まれ
しかも女は黙ったまま
すごい力で
女のものすごい力に驚きながら
そのまま外におっぽりだされた
結局外には行きたくなかったのだが、
本当に外に行きたくなかったのだが、
(自分の仕事を見つけるために)
ねばねばした口のままで、
とぼとぼとぼとぼ
朝日に向かって歩き出した。
(長い影を引き摺って)
外に出ると街中うるさくて
またノイズが頭蓋骨に反響し
ごちゃごちゃした喧噪の中にあって
通行人は皆忙しそう
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