寝言は役に立たなかった。/真島正人
った。
すべてがこれから、というときだった。
携帯にくれたメールは、消えないように今日、保存した。
※
とにかく、僕にとって、まだまだ付き合いは浅いとはいえ、初めて、僕の組織の中に、何も無いところから、僕の意思で入ってもらった人だった。
※
ときおり、「この人とはもっと話すことができそうだ」と思うことがある。
めったに無い。
Iさんは、そんなめったに無い人の一人だった。
いろんなことを聴きたかった。
話し方も、好きだった。
めがねの形と白髪まじりの髪型が、蒸発した僕の父親にちょっと似ているところも、好きだった。
※
今日、何度か名前が出てきているけ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(5)