寝言は役に立たなかった。/真島正人
て悔やまれるのは、Iさんに、もっと詳しい話を聴きたかったということだ。
彼が死んでしまうまでに、二人きりでしっかりと飲みに行っておきたかった。
彼は、いろいろな議題を持っていて、先日僕に、「たとえば、今度飲みに行って、あれとこれとこれについて議論したい」というふうに言っていた。
彼の家に行って、しらふで多少突っ込んだことは話したけど、もっともっと、突っ込んで話したかった。
いろいろな、彼の視点や、彼の経験、彼の感じていることを、教えてほしかった。
その兆しだけを残して、逝ってしまったことが悔しい。
※
結局、彼から、交換したPCアドレスへのメールは、無いままに終わってしまった
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