冬椿/Giton
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地に灼(いちしろ)き椿は燃える
雨に打たれても猶お灼く
雪にうずもれて猶お灼く
涸れ枯れの遼原に椿燃ゆれば
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吹きしきる睦月の霙(みぞれ)に逐(お)われ避りつつ
羽虫らは眛爽の涯(きし)に惑い来る
汝(な)が青緑の厚き盾を恋い慕い
灼き蓋(おお)いの下に羽息(やす)めたり
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されど疾風は猶お止まず
黄金(きん)な頭(こうべ)に群れるすがるの
甘い耀きに酔う遠い蜜の夢
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日は陰り霰撃つ天の腸(はらわた)薄明に紛れ
密やかな天使の吐息が舞い降りるとき
紅蓮の椿遼原に燃えていや灼く
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