視線の内側にひかる/久石ソナ
埃の舞い上がる歩調に
嗅覚は痛みを放出する。
ここに枯れた曜日を
交わして
私の呼吸はゆっくりと
化石する。
もう、映えないで
と弾けた西日に
夜のさりげない会釈を
歪ませて
朗らかに宙を舞う。水。
階段に響く砕けた足音は
陥没。
してゆく。
「裏返した結び目の表面には静かに並ぶ豆電球の濁った色がぽつらぽつらと浮き上がっていました。仄かな触感に巡らす細い雪は香りを揺らして、私の前で〈さようなら〉って飛び回る。確かめたいのは透明な眠気に刺し伸ばす昼間の消えそうな発光の白さと消えてなくなる白さに弾力する瞬間私のほとばしる要素に含む支配となって隠蔽しています」
おだやかな斜線(選別する吸気)に沿って
落ちて行くまで待っている
打ち付けられた私の呼吸の循環を
何層にも重ねて
ほぐしてみる。
(にがい崇拝に流される/潰れた果実の白さ)
しがみついたシーツは
さびしさを咲かせて
私の頬をなぐさめる。
焦げる私のてのひらを
拡散させながら。
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