灯台/花キリン
この三角地点の定義を持ち合わせていないから、光がクロスする辺りから眩暈が飛んで来る。この位置に私がいることを誰も望んではいないのだ。灯台への坂道は紛れもなく点だ。高さを手渡されても、私は硬直することを選択しようと考えている。それでも風の矢が私の下半身を狙い撃ちしてくるだろう。
短い挨拶を残して追い越していった若者達が、青空で手招きしている。散骨したのだと気持ちを切り替えて泣いた場所には花々が咲いている。長い時間が発酵させたのだろう。ぐうんと空に近づいても表情を作れないでいる。重苦しい扉を何故開けたのだろうか。気短な悔いが絡み付いてくる。
三角地点があるとすればその一番外れなのだろう。道に迷ったのではない、確かな選択だったのだと気丈な意思が断崖の枝先に残されている。波が全てを洗い流していった。心の立ち位置をゼロにして戻ろうとしていたのかも知れない。どこにという質問はこの場所では禁句なのだ。
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