ディスコミュニケーションに関する考察/はるな
の住んでいた家の大家が部屋の整理を行ったそうですが、そのときに大量の絵と文章が出てきたのだそう。それがいま一冊にまとめられていて、「非現実の王国で」という本になっています。これを見るとわかるのですが、物語は膨大で、絵のなかにはたくさんの少女と、たくさんの色があります。少女にはみなペニスがついています。ダーガ―は、男女の性差さえ知らなかったのだとされています。これは、ディスコミュニケーションの本当のひとつのかたちかもしれません。そして、彼の死後この絵や作品が見つかったことは非常に幸運なことのように思えます。もしこれを彼が描いている最中に見つかったならば、この物語のあるひとつの純度が下がってしまうこと
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