WE あるいは 接続の魔術/真島正人
 
まし方が
足りなかったのだと
思わなければならない
君は
君の先をさらに鋭く尖らせて
もっと奥へと差し込んでみろ
そうすれば
その先が発酵する
発酵とは
とても大切なことだ
僕たちを
助け
僕たちを変化させ
このような僕たちを
作り上げる
発酵がなければ
僕たちは
もっと違った生き物として
生きていただろう



ところで
今日は公園の
ベンチが
とても、暖かい
冬とは思えない
日差し
うとうととしていると
浮浪者まがいの
格好をした
軍隊が
やってきて
楽しそうな顔で
Molly Darlingを
奏でだした
僕が目を凝らしてじっと見ていると
彼らが手に持ったコートが
日差しに焼かれて
アイスクリームみたいに
とろけていった
彼らも
眠かったようで
楽器を
弾きながら
順次、
眠っていった
むしろ
うとうととしていた僕よりも
先に

眠りの中で、すべての別在は接続されてひとつだ


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