烏/花キリン
 

烏のダンスを見たことがある。滑稽なほど可愛らしい。ガラス越しに映る姿に興奮したのか、威嚇しながら挑発を繰り返している。猫などは、あっという間に天空に運び込まれ叩きつけられる。瀕死の重傷ぐらいが食べ頃だからと、頃合いを見計る知恵も持っている。

小学生が集団登校しているのは、烏の集団が襲うからだ。黄色い帽子は烏よけになるからと新しく買わされた。疑問を手にしてみても、手を挙げてまでと制する声があって思いとどまった。やっと持ち上げる重さを嘴一つで軽量化してしまう。成熟期にほど遠い先端にいるものにとっては大きな脅威だ。

電信柱や枯れ木の大木から、人間生活の隅々まで目が届くから贅沢な食べ残しは
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