名所について /
服部 剛
遠くに見えるあの富士は
名所と言われているけれど
今・この詩を読んでいる
さりげない姿勢のあなた自身が
同じ地面につながった
世界にひとりの、名所です。
(日ノ本の全ての人の心象にある
ましろい富士)
たとえば、一台前の車の
ガラスに映った雲の隙間から
太陽の顔が輝く時、そこは
私にとっての、名所です。
名所はいつもさりげなく
足元から、現れる。
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