あしたシャガール展を見に行く/天野茂典
 



あしたシャガール展を見に行く,夢美術館。恋人たちの祭典、かぎりなくそらを飛んでエ
ーテルのなかを自在にテレポテーションする指輪。宙に浮く感覚とはどんものだろう。不幸にしてぼくはあまりシャガールは好きではないが、ラブラブの恋人たちには興味があるのだ。それはぼくがながいこと孤独だから焼けるのか、こころの底にかいまみるよくぼうの鏡として、かれの色彩がぼくに反発をよびおこしているからなのか。シャガールはぼくの謎でもあるのだ。あしたぼくはシャガール展を見に行く。


草の宿、しきりにぼくは考えていた。杜甫ではないが、ぼくにも一軒の草の宿がほしい。
破れた天井から風呂場に、もみじはふり敷
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