ララバイ/いすず
どうしてもあなたの顔が甦る
ちいさなくせや、ほのかな香りや
まっさらな白のシャツなんかが
わたしのまわりをとりまく世界に
今はもう、ないものだとしても
いい香りのカモミールティーや
ラベンダーの匂いが好きなわたしを
あなたは知らない
どんなに時を越えても、
もう届かない声がある と今は知ってる
さざなみのようにゆれるひとみに
かえしてはよせる 思い出の波
いつかのほとりで 小舟をうかべたら
待ち人は、来ないよといわれたの
それでもララバイ 夢を見て、あなたにすがる
見果てぬ夢の あなたのやさしさに
あしたへララバイ 遠き道のその先には
なつかしい声が待っている気がする
街のイルミネーションに、かつて住んだ街のあかりを重ねながら・・・
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