お弁当箱/銀猫
ちばんちかい時間でしょうか
朝が来てしまったら
色とりどりのくすりを
ピルケースに詰め合わせ
わたしは外に向かいます
そうして
発泡スチロールをむしったような
米つぶを食べながら
きちん、
きちんと
くすりを飲みます
ほんとうにやめ! にしたいとき
あっちに届くくらいのくすりを
天使のようにもらえる術も知りましたが
せんせいの言いつけ通り
いちにちに三度
色とりどりのくすりを飲んでいます
いつでもきちんと三回分
くすりを詰めて
わたしは外に向かいます
ちいさなちいさなおべんと持って。
戻る 編 削 Point(20)