独白-変態のうた-/只野亜峰
憲法に「表現の自由」なるものが規定されていて、この原則があるからこそ表現者は各々自由に表現したいものを表現できるわけですが、それを踏まえると性的倒錯を取り扱った表現は悪しきものであるという論評はやはり非常にナンセンスです。出版される書物にポルノの枠組みを広げてR指定をかけたいだけなのであれば、わざわざ性癖の是非にまで言及する必要はありませんし、それを成さねばならないという事が逆にこの法案の運用の危うさというものを印象づけているようにさえ思えます。もちろん一般にポルノ漫画と理解されるであろう書物をアダルトコーナーに移動させようという試み自体は悪くない事だと思いますし、これからの社会においては環境を整
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