『しろう』-永遠未完小説-/しろう
と比較しなければならない。光速とは約30万km/s。時速にすれば10億8000万kmである。仮に30ノットで航行したとしても1/19636363である。すると僕ときみとの時間差は…などと述べつつもここまでは全くの嘘。
本格的に視点を拡大するとしよう。銀河系は宇宙の中心から光速で遠ざかっている。他の様々な要素を加味したとしても、少なくとも僕らは亜光速で移動しているということになる。逆に言えば、亜光速で移動する空間の中において、今現在の僕らの存在時間は保たれているということだ。そこから物語は始まる。
第10章
(これは、「わたしたち」が「あなたがた
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