米びつの中のいのち/
kawauso
ぼろぼろとまとまった消しゴムのかす
米びつの中で生まれた虫のようだ
彼は米びつの中で生まれた
積雪6センチほどの米の中に
何を間違えたのか産み落とされ
目が覚めると目がくらむような白、白
透けるような翅も天井まで
どこへいくこともなく
私に見つかりつままれて
彼はその一生を終える
米でスキーをするために
生まれた命ではないはずなのに
何かを消して生まれた消しかすを
今日も机の下にこぼす
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