ほこりと夕日/モチヅキゼロ
良心というものを売った日は、空には雲ひとつない晴天で、行楽日和というべき日であった。
そもそも、私は良心というものを必要とはしていなかった、
生きていていままで、ひがみやねたみしか覚えなかったし、私はそんな自分が悲しくて悲しくて仕方がなかった、
良心っていう文字を辞書で引くと、クラスの飯塚君が思い浮かんだ、
どこにでもある中堅の高校の教室と言われる場所に彼の居場所があり、廊下側の前から四番目の左側の席に座っていた、
辞書の意味すら読まないうちに、私は良心の象徴である飯塚君を思い出した。
飯塚君は、朗らかな雰囲気が一番印象的で、ひょろりとした体系で猫背、近眼のせいでメガネをかけていて
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