あなたへ/yuko
て焼却場へ運んでいくのでしょうね。ただ生まれたというだけで、ただ死んだというだけで。
私は彼らの灰を、町中を流れていく川に撒いてあげたい。上流から次第に分岐して、網目状に張り巡らされた、約束のような川。舞いあがる灰は風に乗って、誰かの涙を取り戻すかもしれない。そうすれば彼らの眸は少しずつ透明になり、燃える炎の赤は血と同じ色だと、知ることができるでしょう。四角い建物から出る煙の行き先を、追うこともできるでしょう。同情はいつだって優しいから、私はそれが悲しいのでした。
燃えていく
骨は光
血は種
からだじゅうを風が
通過して
燃えていく
今この机には強い西日が
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