お話のつづき/小鳥
 
ページをめくるその指の上で

白くまと踊る私。


美しい魔女は紅い唇に

呪文をのせてため息。


蛙の歌う丘の上で

うさぎを抱いてしゃがみこむ私。


王子様の顔には、

面影だけのだれか。


ひらひらゆれる世界に

うずまく記憶にのまれ、


ページをめくるその指から

目が離せない私に。



お話のつづきは、また明日。

太陽の沈むころ。


お話のつづきは、また明日。

ねじ巻き式ロボット。



唇に触れる呪文、

おやすみなさい。

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