私は鳥/
由志キョウスケ
私は鳥
もう空を飛べない
羽根をもがれて
ゴミ捨て場が臨終の地
腐臭しか知らず
地面のキズを数えて歩く
朝の光は冷たかった
でもわたしはとり
清掃車に潰れる私の肉体
飛び散る体液の飛沫で
私の魂は飛んでゆく
*
魂は飛んでゆく
上昇する摩擦の熱に
大気にひろがる歓喜に
無限の宇宙(そら)の深みに
私の魂は
六月の空へと飛んでゆく
私は鳥
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