デジタルの色/少女A
薄っぺらい世界だと
気付いているのは私だけかな
出来る事なら
生の声を聞きたいの
熱を持ってぶつけて欲しいの
―メールなんてしないで―
満たされない思いが電波に乗って
無機質な文字となって私に届く
何度も届く
積もる
言葉は重く
機械の温度は冷たくて
私は疲れて
何も言えない
あなたを何度も嫌いになった
あなたに何度もお別れと言った
それでも終われなかったのは
今までの楽しかった日々
あんなに心の底から
全てぶちまけるみたいに笑ったのに
だから辛うじて繋がっているけど
今のあなたはそれの脆さに気付いているのか
距離感が温度感が麻痺している
あんなに好きだったあなたまで
現代を包む灰色の膜の一部になってしまったの
私はそこに触れるのも嫌で
目を見て話して欲しかった
これ 間違っているはずはない
なんて薄っぺらい世界なんだ
なのにたった1人
おいてけぼりみたいな感覚だ
人間らしくないのはどっちだろう
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