season's greeting/月乃助
 
の古からの 産声は
消え去ることがなく 抗いようもない寂しさをまとっていたとしても


安らかな子供達の寝顔に
一年の長さの重さをはかることを知り
きっとみている、飾り付けたクリスマス・ツリーの下で待つ
色とりどりの箱の夢をこわさないように
部屋のちいさな明かりの影を消す


星が降るほどの
きらめきを増した街の喧騒に
ひと時 おこぼれを期待する野良猫たちの鳴き声が、
冬のつらさを忘れたように
うす汚れた なごり雪の合い間
行き場を失うように響いて消えた


至福と孤独の背反率
愛するものを持つ 人々の季節なら
それを手にしない者には、残酷な
悲しみをも
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