糾える光の蔓/within
 
押入れに隠れていた
暗い密室の中で
埃っぽい空気の中で
春の芽吹きを待っていた

喉の渇きに苦しみ
時折、浸みてくる温もりに身体を寄せ
ずっと夢を見ているような
おぼろげな意識で
昼と夜との繰り返しに身を任せた

言葉でもあり
言葉でもない声が
弾けて消えて過ぎ去っていく

血の気のない白い手足に
触れてくれているのは誰だろう?
それともこれは幻か?
はっきりとしない意識で
感じるものに半ば怯えながら
目を瞑り、息を潜めた

見つからないように
でもいつか
許してくれることを願いながら
隠れていた

でも
私だって飛び立ちたい
世間に拒否さ
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