断線/within
いつからか小鳥が来なくなった
名も知らぬ小鳥たちが
毎朝訪れ、よちよち歩いているのを見て
囲いのある私の生活も
悪くないと思えていたのに
いつからか朝の声はしなくなっていた
流浪の民は籠に小鳥を入れて馬に乗り
土地を点々としていたという
籠の中に入れられた小鳥は
じっと暴れることもなく
時折さえずるだけだった
民も狩りの収穫がなくとも
小鳥を食べることはなかった
空腹に身を捩じらせても
朝の訪れと小鳥のさえずりを待ち続けた
それぞれが宇宙の中心なのだから
小鳥のさえずりも銀河の声である
夜火を絶やさぬよう
大人達が交代で火に薪をくべるように
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